3-1. 社内文書
ビジネス文書の役割は情報の正確な伝達と記録です。作成者によって形式が違うと受け取る側にも認識の差が生じてしまいますので基本となるフォームに従って作成します。
社内文書にはいくつか種類がありますが、ポイントを押さえれば基本の書式は同じです。
見やすい社内文書で業務をスムーズに進めていきましょう。
- 1.文書番号
- 会社のルールに従い、必要に応じて記入します。
- 2.日付
- 発信日を記入します。
- 3.宛名
- 多数の人に宛てる場合は「各位」、役職がある場合は「○○課長」等の役職名を付けます。
- 4.発信者
- 部署名、名前を記入します。
- 5.件名
- 内容がひと目で分かるような件名を付けます。
- 6.本文
- あいさつ等は必要ありません。内容を簡潔にまとめます。
- 7.別記
- 分かりやすく箇条書きにします。
- 8.担当者
- 発信者とは別に担当者がいる場合は記載します。
- 9.結び
- 「以上」で締めくくります。
目的 | 種類 |
指示・命令 | 命令書、指示書、通達など |
報告・届出 | 日報、出張報告書など |
連絡・調整 | 業務連絡書、回覧文書など |
記録・保存 | 議事録、帳票書など |
3-2. 社外文書
社外文書は会社を代表して対外的に発信されるものです。敬語や儀礼文に十分気を配り正確に作成しますが、決まり文句を覚えてしまえば難しくはありません。まずは基本のパターンを頭に入れておきましょう。
- 1.文書番号
- 会社のルールに従い、必要に応じて記入します。
- 2.日付
- 発信日を記入します。
- 3.宛名
- 株式会社などは略さず書きます。
会社宛てなら「御中」、個人宛なら「様」を付けます。
- 4.発信者
- 株式会社などは略さず書き、部署名と名前を記入します。
- 5.件名
- 内容がひと目で分かるような件名を付けます。
- 6.本文
-
前文…「拝啓」等の頭語、時候のあいさつを書きます。
主文…「さて」等で始め、主旨を簡潔にまとめます。
末文…締めくくりの一文を書き、頭語に対応した結語(※)を添えます。
※拝啓-敬具、謹啓-敬白など、必ずセットで使用します。
【時候のあいさつの例】
1月 | 新春の候 | 7月 | 猛暑の候 |
2月 | 余寒の候 | 8月 | 残暑の候 |
3月 | 早春の候 | 9月 | 初秋の候 |
4月 | 晩春の候 | 10月 | 紅葉の候 |
5月 | 新緑の候 | 11月 | 晩秋の候 |
6月 | 梅雨の候 | 12月 | 初冬の候 |
- 7.別記
- 分かりやすく箇条書きにします。
- 8.担当者
- 発信者とは別に担当者がいる場合は記載します。
- 9.結び
- 「以上」で締めくくります。
目的 | 種類 |
取引・契約 | 注文書、依頼書、督促状など |
社交儀礼 | 挨拶状、招待状、見舞状など |
3-3. 宛名の書き方
筆記用具は黒のボールペンやサインペンなど一般的なものを使います。内容物によっては梱包の仕方にも工夫が必要です。折り目をつけたくないものはクリアファイルに入れる、壊れ物はエアーパッキンで包むなど郵送に耐えられるようにしましょう。
1. | 会社名は、(株)と略さず株式会社と正確に書きます。 |
2. | 部署名は必ず書きます。記載がないと到着が遅れたり届かない場合もあるので気を付けましょう。 |
3. | 受取人名は封筒の中央に大きめに書きます。 |
4. | 内容の種類や扱い方を表します。 |
親展 | 宛名の本人に開封して欲しい場合 |
重要 | 取扱いを丁寧に行って欲しい場合 |
在中 | 「○○在中」など内容物を表します |
至急 | すぐに開封、対応して欲しい場合 |
5. | しっかりのりで封をし「〆」または「封」と記入します。 |
6. | 差出人の住所、会社名、名前は左下に書きます。 |
3-4. FAX送信のマナー
FAXを送る時はどんな内容で何枚送ったか一目で確認できるよう送付状を添えて送りましょう。
またメールなどと違って文字がつぶれて見えにくくなる可能性が高いため、細かい文字や薄いインクのものは見やすく直して送ります。
【重要書類】
郵送が基本です。やむを得ずFAX送信する場合は相手側に電話連絡の上受信確認をしてもらいます。
【枚数が多い】
送付先の状況も考えて大量の送信は避けたほうが無難です。どうしても必要な場合は電話で一言了承を得てから送信します。
3-5. メールのマナー
- 1.宛先
- メールを送りたい相手のアドレスを入力します。カンマ1つでも間違うと送信できませんので、しっかり確認します。
- 2.CC(Carbon Copy)
- 宛先とは別に同じ内容のメールを参考までに送りたい相手を複数指定できます。受信した人は、他に誰に送信されているかが分かります。
- 3.BCC(Blind Carbon Copy)
- 基本的にCCと同じですが、受信した人は自分の他に誰に送信されているかは分かりません。
※不特定多数の相手にメールを送る場合は、CCを使用すると不用意に他人のアドレスを公開してしまうことになりかねないのでBCCを使います。
- 4.件名
- ひと目見て内容が分かるよう簡潔なタイトルを付けます。
- 5.本文
- まず誰宛てなのかを明記し、あいさつ、自分の名前の順で始め本題に入ると良いでしょう。改行は1行30〜35文字が目安です。段落ごとに1行あけるなどして読みやすくなるよう心掛けます。
- 6.署名
- 会社名、部署名、氏名、住所、電話・FAX番号、E-mailアドレス等を入れます。
【緊急の用件の場合】
こちらがメールを送ってもすぐに相手がメールを見られる状況であるとは限りません。やむを得ず急ぎの用件で使用する時は電話であらかじめ連絡をしてから送りましょう。
【添付ファイル】
写真や文書を送る際に今や欠かせない存在なのがメールの「添付」です。手軽に送ることができる反面、気を配るべき点もありますので何でも添付しないように気を付けましょう。
【使えない文字】
パソコンの機種によっては表示できない文字や記号があります。自分のパソコンでは使用できても、相手のパソコンで正しく表示されない場合もありますので注意が必要です。
◆データのサイズに気を付ける◆
一般には3Mまでが許容範囲とされています。
◆重要な書類は送らない◆
インターネットの特性上、情報が漏洩する危険があるので重要書類は郵送するのが基本です。